3ヶ月目の月末、家計簿アプリを開いた。外食費の棒グラフが、見たことのない高さまでぐんと伸びている。東カレデートの月額6500円をちらちら気にしていた自分が、その隣で2万円超の伝票を平然と切っていた。
ただ、使い終えた今なら断言できる。このアプリの本当の料金表は、月額欄の外側にある。編集部の私が35歳独身としてゴールドメンバーで3ヶ月過ごし、支出をすべて記録した。
まず料金表から。月額6500円の中身
ゴールドメンバーは男女同額、長期プランで月あたりが下がる
編集部が確認した時点で、有料のゴールドメンバーは1ヶ月プランで月額6500円、税込。女性だけ無料という相場観をあえて外し、男女同額に寄せた設計が東カレデートらしさだと思う。3ヶ月、6ヶ月とまとめるほど月あたりの負担は下がるから、腰を据える人は長期で組んだ方が安い。
決済の経路によって金額が変わる場合があるので、購入画面の表示だけは自分の目で確かめてほしい。上位にはプレミアムオプションが用意され、ゴールド料金に月6500円が上乗せされる。合計1万3000円。ここまで来ると会員制クラブの会費の世界。
無料でできることと、片方が払っていれば話せる仕組み
入会審査そのものは無料。通過すれば、無料会員のままプロフィール閲覧といいねの送信は無制限にできる。つまりマッチまで財布は動かない。メッセージは男女どちらか一方がゴールドメンバーなら成立する仕組みで、だから女性の多くは無料のまま使えている。男性側から読み替えると、課金前にマッチを貯めておける、ということ。招待コードがあれば7日間ゴールドを体験できる入り口も残されている。
編集部の3ヶ月家計簿、総額10万5500円の内訳
私の記録を晒すとアプリ代はゴールド1ヶ月プランを3回更新して1万9500円。デートは6回。初回は恵比寿のワインバーで1万4000円、2回目が西麻布のディナーで2万3000円と序盤に飛ばし、途中から初回をカフェに切り替えて3000円台へ着地させた。飲食の合計は8万6000円。締めて10万5500円。
アプリ代は全体の2割もなかった
円グラフにすると、月額の存在感はわずか2割弱。残りの8割はテーブルの上に消えていた。料金で検索して月額だけ見比べている段階では、この比率はまず想像がつかない。私もついていなかった。だから声を大にして言いたい。東カレデートの予算は、月額ではなくデート代から始めるべきです。
1回2万円のディナーが標準になっていく感覚
怖かったのは金額より麻痺の方。プロフィールに並ぶ店の写真、会話に出る店名、相手の装い。場の空気が会計の桁をじわじわ引き上げてくる。西麻布の夜、伝票を受け取った瞬間に喉の奥が小さく鳴った。紙一枚なのに、ずしりと重い。頼むカード、通ってくれ!あの夜の祈りを笑えない人は、意外と多いはず。そして見栄で積んだ出費は、関係を一歩も進めなかった。3ヶ月で一番高くついた学びがこれ。
元を取った人、溶かした人
月額は投資だったと言い切る34歳の3ヶ月
商社勤めのショウゴさんは登録直後にゴールドへ入り、初回から高級店で2万円超を重ねた。2ヶ月で会えたのは3人。返信の少なさに、コスパという三文字が頭をちらついたらしい。転機は3ヶ月目だった。年収の近い同世代女性と意気投合し、会計は自然と割り勘に寄り、半年プランへ切り替えて今は真剣交際中。安いアプリで何十人とやり取りして消耗するより、審査で絞られた池で集中できた。月額は入場のためのフィルター代。それが彼の総括だった。
数十万円使って我に返った45歳の夜
経営者のマサトさんの話は対照的。審査通過で勢いがつき、毎回バーと高級店で1回3万円近く。ケチと思われたくない一心で3ヶ月走り、気づけば総額は数十万円に達していた。関係はどれも続かなかった。明細を見た夜のことを、彼は静かに話してくれた。スクロールする親指が途中で止まり、しばらく動かせなかったと…。悔やんでいるのは使った額ではなく、予算を先に決めなかったこと。財布の体力と恋の体力は別物で、前者が尽きると後者も折れる。
無料の女性側にも財布の現実はある
27歳のエリナさんは無料会員のまま使い、初回の会計はほぼ相手持ちだったという。ただ2人目の男性から、初回は出すけど次からは割り勘でと告げられ、急に現実の輪郭が見えた。33歳のナツキさんは自分で半年プランに課金した派で、プレミアムも一時試したものの、無料でも十分出会えると見てやめている。彼女の一言が残った。「アプリ代よりデート代の方が重いんですよ、女性でも」。おしゃれな店は割り勘でも1万円を越える日がある。男女同額寄りの料金が真剣な人を集める一方、テーブルの上の出費は両方の肩に乗る。
総額を半分にする設計図
家計簿と取材を突き合わせると、削れる場所はもう見えている。
課金はマッチが貯まってから、プランは長期で
いいねは無料で無制限。まず無課金で打ち続け、話したい相手が5人ほど並んだところで課金すれば、払った初日から会話が始まり、月額の空走期間が消える。手応えを得て続ける気になったら長期プランへ。1ヶ月更新をだらだら重ねる払い方が、計算上いちばん高くつく。
初回デートは90分のカフェに固定する
私が途中から導入して効いたルール。初回は昼か夕方のカフェ、90分、3000円台。相性を見極めるには十分な長さで、見栄が入り込む隙はない。2回目から店の格を上げれば、2万円のディナーは手応えのある相手だけに注げる。これだけで月の飲食費が半分以下になった。カフェ始まりの方が会話に集中できた、とナツキさんも同じことを言っていた。
1ヶ月で見切る条件も先に決めておく
取材した中には、1ヶ月で解約した30歳前後の男性もいた。いいねは集まるのに返信が薄く、6500円分の手応えがないと判断しての撤退。賢いと思う。マッチ数、返信率、会えた人数。自分なりの撤退ラインを入会前に紙へ書いておけば、ずるずる更新も傷の深追いも起きない。高い料金は、損切りの決断まで速くしてくれる。
月額6500円は入場料、本当の勝負はテーブルの上
料金表だけ眺めれば、東カレデートは高いアプリに見える。3ヶ月の家計簿が示した実態は、その月額が脇役だという事実だった。入場料を払って審査の門をくぐった先、予算の主導権を握っているのはデートの設計の方。月額で迷っている人へ、私から渡せる数字はこれだけです。アプリ代1万9500円、飲食8万6000円。この比率を知ってから財布と相談すれば、答えを出すのはそんなに難しくない。

コメント